Pair key 〜繋がった2つの愛〜
*side 俊哉*
「心が何を意味するのか……お前は解っているのか?」
問いかけながら愛音の胸をもてあそび、残った着衣の隙間から片手を入り込ませていた。
ゆっくりとした動作で突き進み、奥深くへの侵入を目指す――
そうして私の指が吸い込まれてゆく場所は、窮屈だけども温かで、微かに愛音の鼓動を感じる。そんな彼女の大事な場所に、触れるのを許されているのが自分だけだと思うと……それだけでなにかが昇華されるような気がした。
愛音の緊張に呼応するかのように内側に震えが走る――私はそれをさらに誘導するべく愛音の応えを刺激した。
「……いっ、意味って……か、感情……ってこと?」
「感情だけではない。人間の理性と、知識と、感情と意志、思慮分別を働かせるような脳からの信号。精神行動の全てを“心”と言うのだ」
徐々に溢れてくるものを掬いとるように拡げると、より滑らかな運びが可能となる。
気が付けば私の手指は私の思考とは別の意思を持ったかのように性急に動いており、やや粘り気を含んだように響く水音が、淫らな妄想をかき立てる。まるで愛音を初めて抱いた時のような、激しい衝動と高揚が迫り来るのを感じた。
じっくり時間をかけてやりたい……そう思いながら手加減のない動作を繰り返す自分。
手の甲に触れる愛音の下着は、濡れて冷たくなっていた。
愛音は私の答えにはっきりと頷いていたものの、僅かに眉間にしわを寄せ、今ではきつく瞳を閉じている。
時々しゃくりあげるように下肢をヒクつかせながら、声にならない声を漏らしていた。
何かを懸命に耐えながら……耳だけは、私に意識を向けているようだった——
「そんな“心”を預ける、とは?」
「……ひゃっ……ぁ、…ぁあんっ…!」
「それがどういうことを意味するのか、お前は分かっているのか?」
「…ぁ…ぁッ…はぁ、……んっ……」
「……答えろ……」
「む、むずかしい…よ……っぁ!」
「大事なことだ……ちゃんと考えろ……」