執事の加藤さん。


えっ?



て、て、て、て、手、だとっ!?



「手…ですか?」

「ダメなら、明日生きてないと思え」

「これで生死さ迷うんですかっ!!」

繋ぎますよ!!生きたいんで!!


でも珍しいな、お嬢様がこんな事言ってくるのは…。というか初めてじゃね?
ここ数ヵ月、両親にも会われてないから寂しいのだろうか…。


俺は、裾を握っていたお嬢様の手を取ってギュッと握る。
あ、お嬢様の手ってこんなにも小さかったのか…。そんな事を思いながら、お嬢様を見た。


でもお嬢様は俺の事なんて見ていなくて、繋がれた手を見つめていた。



















今まで見た事のないくらい、とても嬉しそうに微笑みながら…。

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