執事の加藤さん。
「?どうしました、おっ、ぐふっ!!」
「どうしました、お嬢様?」と、尋ねようと顔を上げた瞬間、撫でていた手で俺の頭を勢い良くベッドに押さえ付けた。
ぐっぐるじいぃぃ!!!
「ぐっ!!ギブーッ!!ギブです、お嬢様っ!!!」
そう言うと、少し緩められた手。
でもこれは顔を上げない方がいいという事だよな…。
さすが、執事。
空気の読める俺は、頭は上げず息が出来るように顔を横に向けた。
「…ねぇ、加藤」
「はい、何でしょうお嬢様」
「ねぇ、頭撫でられたのってさ、……あた、あたしが初めてだったり…する?」
ぎこちなく聞いてくるお嬢様に、少しだけ胸が跳ねた。
ヤバい…。何だろ…。とにかく何かヤバいぞ!!
「そっ、そうですね。頭撫でられるとか、今考えればないですね。だから撫でられたのは、お嬢様が初めてになりますっ、ね」
ちょ、ナニコレ。
これ答えるのって、こんなに恥ずかしかったっけ!?
良かった…。
顔上げてなくて。絶対今の俺は顔が赤いはず。その証拠に顔が熱い…。