執事の加藤さん。
「加藤」
「はい」
「何か頭熱いけど、熱あんのか?」
「………」
いやあああぁぁぁぁーっ!!!
もう、やだ…。
恥ずかし過ぎる。消えたい。でも顔上げたい。けど殺されちゃう。逃げたい。
でも、撫でていてほしい気も…。
「ね、熱はないので大丈夫です」
「そう、ならいいんだけど」
そう言いながら、お嬢様は俺の頭を撫で続けた。
「加藤」
「…はい」
「眠くなってきたから、寝る」
「では、私は部屋に戻った方が宜しいですかね」
俺は、お嬢様の手から頭を離そうとする。
でもまだ撫でていて、離す気配もない。
「ここにいて欲しい…」
少しだけ寂しい声で、そう言った。