執事の加藤さん。
ちょっとしてから、スースーと安定した寝息が聞こえてきた。
やっとで寝たか?
明日からまた学校だし、寝てくれて良かった。
撫でていた手はもう離れていた。でも繋がれた手は、離れる事はない。
握ったまま寝ちゃってるよ…。どうすればいいかなぁ。
まっ、朝になれば自然と離れているよな。
俺も眠くなってきたし、明日も仕事だから寝るか…。
仕方ないからそのまま、お嬢様が寝ているベッドに顔だけを乗せて寝る事にした。
俺は繋がれた手を、ふと見た。
その瞬間、口角が上がったのが自分でも分かる。
“嬉しい”
俺の中では、そんな気持ちでいっぱいだった。