執事の加藤さん。


ちょっとしてから、スースーと安定した寝息が聞こえてきた。


やっとで寝たか?
明日からまた学校だし、寝てくれて良かった。

撫でていた手はもう離れていた。でも繋がれた手は、離れる事はない。
握ったまま寝ちゃってるよ…。どうすればいいかなぁ。
まっ、朝になれば自然と離れているよな。


俺も眠くなってきたし、明日も仕事だから寝るか…。

仕方ないからそのまま、お嬢様が寝ているベッドに顔だけを乗せて寝る事にした。



俺は繋がれた手を、ふと見た。
その瞬間、口角が上がったのが自分でも分かる。



“嬉しい”

俺の中では、そんな気持ちでいっぱいだった。

< 41 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop