執事の加藤さん。


そのまま、ベッドの上にそっと置く。
全く動く気配がないから多分気付いていないだろう。

よし、そのままお嬢様の頭の下にある俺の腕も引き抜こう。

気付かれない程度に、お嬢様の頭を空いている方の手で上げる。そーっと、ジワジワと自分の腕をお嬢様の頭から抜く。

いけそうだっ!!そう思った瞬間、


「…っ、んー…」

お嬢様が動き出した。
ヤバイ!!俺は咄嗟に腕を思いっきり引き抜いてしまった。勢いがありすぎたせいか、そのままベッドの下へと落ちた。


「いっ、…てえ…」

肩を少し打ったようだけど、まぁ大丈夫だろう。俺は体を起こし、お嬢様が寝るベッドに目を向ける。お嬢様は反対の方向を向いていて、俺には背中しか見えていない。


起きなかったから、良しとしよう。
そう思いながら時計を見る。


あれ?俺、これ完全に遅刻だよね!?
時計の針はいつもの朝礼の時間を過ぎていた。

「やっべ!!」

俺はお嬢様に肩まで布団を被せ、急いで部屋を出た。

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