執事の加藤さん。
亜由美(アユミ)さん
須賀家のメイド。俺より年下だけど入ったのは彼女が先なので、まぁ俺の先輩である。
栗色のツヤツヤした髪。常にツインテールのヘアスタイルで、毛先はクルクルと巻かれている。こんな髪型が似合うのは彼女しか居ないだろう。
クリッとした二重の目に、長いまつ毛。黒白のフリフリとしたメイド服がとっても似合う、女の子だ。
「しっかし、加藤くんが遅刻とか珍しいよねぇ~。リーダーもビックリしてたよぉ~」
グビグビと飲む俺を見ながら、亜由美さんは言う。
「ぶっ、ゲホッゲホッ、…いい、いやぁ…、まぁ、ちょっと昨日、夜更かししすぎまして…」
「ふぅ~ん。まぁ、いいけど」
「あは、あははは」
俺は頭を掻きながら、引き攣った笑みを見せる。
「あっ、そういえば」
「?」
いきなり亜由美さんは、両手を合わせてパンっと鳴らして俺の方にズイッと近寄る。
なんだなんだ!!
「お嬢様の送り迎え“立川くん”だってさぁ~。そうそう、あたしそれを伝えに来たんだった」
てへっと言って少しベロを出す亜由美さんは、子供のように見えた。
が、
送り迎えが、立川、だと…!?