執事の加藤さん。
一体、何をしに来たのだろうか彼女は…。
「おい、立川。オメェのせいでネタにされたじゃねェか…」
「楽しみッスね、加藤さん!!」
「何楽しみにしてんのお前!?」
もうダメだ。俺の人生終わったわ…。
「結局、お前も何しに来たわけ?」
お嬢様に対しての愚痴だけだったのか?
立川は少し「んー」と考えるように上を見上げ、笑って俺を見る。
「ただの俺のヤキモチです、きっと。でも勝てないって分かったから大丈夫ッス~」
えっ、何?意味わかんないんだけど。
「俺、もうお嬢様のお世話終わりなんで加藤さんにバトンタッチです」そう言って俺の肩をポンポンと叩き、帰って行く。
その夜。
俺と立川の薄い本が屋敷中に出回っており、お嬢様から部屋に入れてもらえなかったのは言うまでもない。