執事の加藤さん。
「じゃあ、明日11時に家を出るわ。それまでには準備しておきなさい」
「分かりました。あっ、あの格好はこのままでいいんですか?」
俺は執事だからね、一応。
お嬢様と出掛けるからといっても普通の格好じゃダメだろ。
「は?出掛けるのに何でスーツ着んだよ。バカかテメェは」
「……ごめんなさい」
「アンタが普段着るような服でいいよ。あたしもいつも通りの格好すんだから」
そう言ってお嬢様は、もう寝るから出て行けと言わんばかりの顔をしていた。ので、俺は「ではまた明日」と言って出て行った。