執事の加藤さん。

そして、デート翌日。

俺は私服のまま、お嬢様の部屋のドアを叩く。
いつもの様に何も返事がないので勝手に入る。


「おはようございます、お嬢様。お時間近くになりましたので、お迎えに上がりましたよー」


お嬢様を見ると、俺の方を振り返る。
その時一緒にミルクティー色した髪がフワっと揺れた。
俺の心臓が一瞬、ドクンと鳴る。

うわぁー。なんだ今の。すげー心臓に悪い…。
まだ心臓のドキドキが治まらない。


そんな俺をよそにお嬢様は、頭から足先までジロジロと俺を見る。えっ、何？何か付いてんの？ヨダレ！？ヨダレですか！？いやいや、朝は顔洗ったからね！！洗顔して化粧水までしちゃってるからねっ！！


「な、何ですかお嬢様。そんな見られると…」

少し恥ずかしい気持ちを隠しながら俺はお嬢様に言う。


「ふ～ん」

ふ～ん？、、、だと？？

よく分からない言葉を発した後、すぐに「じゃあ、行くぞ」と男らしい事を言って部屋を後にした。