執事の加藤さん。
車で行くのかと思っていたら、何故かバスで行くと言ったお嬢様。

まぁ、街の方にはバスでも行ける。
疲れないかと聞いても、若さを舐めるなと言われたから。すんません。10代舐めてたッス。

須賀家の令嬢がバスに乗ってお出掛け。
何だか不思議な光景だ。


バスの中は日曜日だという事もあって、子供連れや若い子で溢れていた。
俺もバス乗るの久々かもしれねぇな。

椅子には座らず、革釣りに捕まっているお嬢様。
でもやはり誰もがお嬢様を見る。
凛とした雰囲気。姿勢も良く美しい。
生成色の膝上ワンピースに黒のブルゾンを羽織っている。ミルクティー色の髪は少し巻かれていて、動く度に揺れる。


俺が隣で歩いていていいのだろうか、そう思う程だ。


そんな俺は、買い物なんかしない為、あまり服がない。
黒のカーディガンに首元が緩い白のカットソー。少し細めのデニムを合わせた適当な格好。ごめんなさい。

髪型はいつもより、ちゃんとセットした。
髪ぐらいはきちんとしようと思ってですね…。


そんな事を思っていたら、目的地のバス停に着いたのでお嬢様の分の運賃を一緒に払って降りる。
< 70 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop