【長】野球ボール
あたしがこんなに人の心配するのって、自分で言うのもなんだけど…珍しい。


他人に興味なんてないし。


でもさすがにこの状況、一輝の様子を気にするに決まってる。


だって一輝は、無理矢理今この部屋にいる。




あたしが「入る?」って聞いたとき……


「いや、いいよ。帰るから」


「そう?」


じゃあ…と言いかけたあたしの言葉を遮ったお母さん。


「いーじゃない♪何もないけど上がってって」


そう言いながら一輝の背中を押す。

もう断れない、みたいな。


あはは。
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