【長】野球ボール
それからあたしは、ひたすらキャプテンの話を一輝に聞かせた。


一輝の反応はイマイチで、隙があれば話題を変えようとしているのが分かった。


「なーんで伝わらないかな?」


ちょっと疲れてきたあたし。


「伝わったら気持ち悪い。俺そんな趣味ねぇし」


そりゃそうかもだけど…。

もう少し反応あってもよくない!?




「じゃあさ、一輝は好きな人とかいないのー?」


ふと思った。

軽い気持ちで聞いただけ。


「……今は野球があればいい」


そう言った一輝は、一瞬何か考えたようにも見えた。


「つか、お前その聞き方…キャプテンが好きってことか?」
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