【長】野球ボール
「冗談だって!!そんな怖い顔すんなっ。皆分かってるよ」


「……何をよ」


「ふぅー…」


ムスッとしたままのあたしを見ながら、一輝が大きく息を吐いた。


「叶夏が一生懸命俺らの世話してくれてたこと」


「え…?」


一瞬聞き間違いかと思ってしまった。

一輝がそんなこと言うなんて、全く思ってなかった。




「だから皆叶夏のためにきっとがんばる」


「あたしのため…?」


チームの一員だって認めてくれたみたいで、すごくうれしかった。


「おー♪叶夏を勝利の女神にしてやるよ」


「な、何よそれ…。あたしは元々…勝利の女神だもん」


「そっかー?」


あたしの目からは涙が流れてた。

何の涙かはよく分からないけど…ね。
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