【長】野球ボール
「あのー…あたしからもいいですか?」


せっかく盛り上がった皆の雰囲気を壊さないように、恐る恐る手を挙げる。


「ん?どした?」


優しいキャプテンがすぐに声をくれる。


「あんまり綺麗にできてないんですけど…」


あたしは持っていた紙袋の中から、七色のものを出した。

その瞬間、皆の目が一気に丸くなるのを感じた。




『千羽鶴!!!』


何人かの声が綺麗に揃った。


「不格好ですけど…勝てますようにって、気持ちだけはたくさん込めました。明日、がんばりましょう!!」


胸がいっぱいのあたしには、これが精一杯の言葉だった。


「すーげー!!」


「超綺麗っ」


一通り皆の視線が千羽鶴に向けられた後、あたしを見て皆笑顔でこう言ってくれた…。


「マネージャーありがとう!!」


今のあたしにとって、何よりもうれしいものだった。
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