【長】野球ボール
「あ…っ」


急にあたしは思い出して、鞄の中を探った。


「これ、一応…誕生日プレゼント」


あたしは右手を差し出した。


「野球ボール?」


一輝は不思議そうな顔でそれを受け取った。


昨日帰ってから、閉店間近のお店に駆け込んで……

あたしは1球だけ硬球を買ったんだ。


硬球って意外と高くて、ちょっとだけ驚いた。




「ん?」


一輝はボールを真剣に見付めてた。


「『球児の夢に連れていけ』?」


そして、ボールに書いてある言葉を読み上げた。


あたしからのメッセージ。
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