【長】野球ボール
「15周目ー!!」


『はい!!』


ようやく半分まできた。

真冬なのに皆汗びっしょり。

表情からも、どれだけ辛いかがよく分かる。


「そろそろ差が開くぞ…」


そう静かに監督が口にした。


「どういうことですか?」


「見てれば分かると思う」


差が開く…?




「18周目ー!!」


『はいっ』


あたしの声に返事できる選手が少なくなってきた。


あっ、確かに先頭集団と後ろの先頭との間がかなり開いてきてる。

先頭集団は、大野キャプテン、根本副キャプテン、福田副キャプテン、一輝、ソウソウ、励ちゃんの6人。


励ちゃんっていうのは高浦励(たかうられい)、あたしがマネージャーする前から、野球部に入部してた1年生。

あたしがマネージャーする前からいたのは、一輝、ソウソウ、励ちゃんの3人だけ。
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