【長】野球ボール




練習が終わって、あたしは一人一人にチョコを手渡しして行った。


「ありがとー!!」


「流石マネージャー!!」


皆の反応を見て、だいたい今日の収穫具合が分かる。

基本的に皆、朝つくった鞄の隙間は今もただの隙間であるようだった。




「ソウソウー♪ハッピーバレンタイン」


はい、と手渡すと……


「ありがと!!いただきまーすっ」


目を輝かしたソウソウの口の中に、あっという間に消えていった。


「うーまあー!!!」


大袈裟なぐらい、グラウンドにソウソウの声が響く。


「一輝にはまだあげてないの?ふふ…っ。これでイチコロだ?告るんだろ?」


「……やっぱり?」


考えてないわけなかった。

バレンタインデーだし、料理には自信あるし…。

もしチャンスがあれば!!って感じだけど。
< 342 / 683 >

この作品をシェア

pagetop