【長】野球ボール
帰り道も、今日は大勢で帰れるから少し安心した。
ううん、かなり安心した…かな。
けど家が近付いてきた頃…。
「叶夏…話できない?」
一輝に話かけられた。
「……ごめん」
今は話したくない。
近寄らないで…。
「俺の勘違いって何?本当のことが知りたいんだ」
本当のこと?
一輝が好きだって?
あたしにこれ以上傷をつけるの?
もうあんな言葉…聞きたくない。
「ごめん。話すことないから…」
「何でっ…俺が違うなら謝るし!!」
「そういう問題じゃないんだ…ごめんね」
あたしは早足で家に帰った。