【長】野球ボール
「はぁー…」


気付けば、ため息をついてる最近のあたし。


「叶夏ちゃん?大丈夫?」


「あ、励ちゃん…大丈夫だよ♪」


わざと明るく言ったあたしに、たぶん励ちゃんは気付いてる。

それなのに、何も言わずに微笑む励ちゃん。


「ねぇ励ちゃん?励ちゃんならどうする?」


あたしの口から励ちゃんに話したことはないけど……

励ちゃんは何も言わず、見守ってくれてる。


ソウソウはボーッとしてるだけ!!なんて言うけど…励ちゃんはすごく優しい人。




「んー…今は動けないんでしょ?でも諦める気もない。それならずーっと好きでいてもいいんじゃない?」


「ずっと…?」


「好きでいるのは自由でしょ?相手に迷惑かからないし。でももし動きたくなったら、動けばいいと思うし」


自由…?


「付き合うか、諦めるか…だけが答えじゃないと思うよ?俺はね」


励ちゃんの言葉が、今のあたしには響いた。
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