【長】野球ボール
「一輝って将来も野球するの?」


高校卒業してからのこと。

プロじゃなくても、大学とか、実業団とか…野球を続ける方法はたくさんある。


「将来?さあ…分かんねぇ」


「うわっ意外!!一輝なら当たり前だろ、とか言うのかと思ってた」


一輝の答えに、少しだけ寂しく思うあたし。




「まだ考えてねぇな」


「いつ辞めるか分かんないってこと?」


「辞めるのは、そうだな…野球と両思いになれたらじゃね?」


ははっと楽しそうに笑った一輝。


「は?両思い?…野球と?」


驚き過ぎて開いた口が塞がらない。

例え話が、あんまりピンとこない…。


「今は俺の一方的な片思い。俺の地道な努力に、いつか野球が応えてくれたら…辞める気になるかもな」
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