【長】野球ボール
「ふーん。でも普通、そうなったら逆に辞められなくない?」


野球が応えてくれるってことは絶好調。

つまり、野球が更に楽しくなると思うんだけど…。


「あ、そういうもん?」


いつものように笑う一輝。

久しぶりにマイペース一輝を見た気がした。




「ねぇ一輝…?片想いって辛い?」


「へ?」


笑われるかもしれないって思いながら、あたしは真剣な目を一輝に向ける。

一瞬キョトンとした一輝だったけど、すぐに答えてくれた。


「辛いかもな」


「辞めたいとは思わない?」


何であたし、こんなこと聞いてるんだろう…。

もうあたしの中で、野球の話じゃなくなってた。
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