【長】野球ボール
夕方になって少ーしだけ涼しくなった公園を…あたし達は歩いてた。

まだ小さな子で溢れている。


「叶夏も小せぇときは公園で遊んだりしてた?」


「もちろん!!今思えば、もう少し家で過ごしてもよかったんじゃない?って思うぐらい」


「はははっ」


そんな穏やかな会話をしてたあたし達に、一人のおじいちゃんが話しかけてきた。




「ちょっと君達…写真を撮らせてくれんかの?」


優しい笑顔をしたおじいちゃんが、年代物のカメラを持って立っていた。


「写真…ですか?」


「今わしはな…病気のばあさんのために、思い出の場所を回っていたんじゃ」


「思い出の場所…?」


「若い頃に行ったとことか、子供ができてから行ったところとかな…」


それで何であたしと一輝?


「君達は若い頃のわしらによく似てると思ってな。1枚だけでいいから…ダメかの?」
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