【長】野球ボール
「ご、ごめん!!な、なんか子供が!!ぶつかってきて!!」


必死に説明する一輝。


「う、うん!!大丈夫!!」


何が大丈夫なのか、自分で言ってて意味不明だったけど。

てか、むしろ何も大丈夫じゃないし。


胸が締め付けられてて、息苦しくて、脈が早くて、何も考えられなくて…。


これが病気じゃなかったら何?…本当にそんな状態。




「え、えっと…とりあえず今日は帰るか!?」


「そ、そうだね!!」


ぎこちない会話。

どれだけ初々しい光景だ!!なんて、自分でツッコミたくなる…。


「送ってくから…」


「え、一輝今日何できたの?また自転車?」


「いや違うけど…いい!!送るっ」


あたしは静かに頷いた。
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