【長】野球ボール
「あたし…大好きな彼氏がいます。だからあなたとは付き合えません。ごめんなさい」


「え…?あぁ…そうなんだ…」


ソウソウと励ちゃん以外、まだきっと誰も知らない事実。


「彼氏って、もしかして…」


「甲導一輝です」


「……そっか。うん、二人はお似合いだね…幸せにね?」


「はい。ありがとうございます」


あたしが笑顔で応えると、男の人はすぐに歩いて行ってしまった。




「……お似合いか」


あたしは告白されている間に、すっかり一輝の存在を忘れてた。


「叶夏」


だから、名前を呼ばれてハッとした。


しまった…!!


忘れるとかありえないよ、あたし!!
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