【長】野球ボール
「一緒にいられる時間はもうあんまりないけど、俺も同じ大学に行こうと思ってるんだ」


「そっかあ…なんか素敵な話だねー」


「そうかな?」


励ちゃんのこの優しい笑顔の源は、莉奈さんなんだろうな…。

やっぱ恋っていいね。


「遠恋は辛いかもしれないけど、がんばるんだよー?」


あたしは励ちゃんの両手をギュッて握りしめた。


「うん、ありがとう」




そしてタイミングよく声が後ろからした。


「またイチャついてんの?」


「一輝、おはよー♪」


「とりあえず手を離せっ」


キッと軽く睨んでみせる一輝。


「ん?一輝何かあった?」


勘のいい励ちゃんが何かを感じとった。


「一輝怒ったフリして、今日は怒ってないよね?むしろ機嫌よさげじゃん」
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