【長】野球ボール
「……というわけで、一輝は夏の大会に出られないかもしれない」
次の日あたしは教室で、ソウソウと励ちゃんに説明した。
野球部の皆には、練習のときに監督から話されると思う。
「は?まじで?」
「骨折!?」
二人は驚いて声が出ない様子…。
ソウソウでも、この反応だし。
「一輝もちょっと荒れちゃってる…」
「そうだよな。一番ショックなのは一輝だもんな」
「あたしにできることなんて何もなかった」
自分の不甲斐なさを改めて感じてた。
「そんなことないよ。叶夏ちゃんが悪いわけじゃないし」
「そんなの俺らだって一緒だしな」
「俺達にできることって?」
マネージャーと副キャプテンとしてだけでなく…一輝の友達として、あたし達は考えた。