【長】野球ボール
「……一段落だな」
試合の後インタビューとかいろいろあって、一輝が自由になれたときはもう夜だった。
「改めまして、甲子園出場おめでとう」
いつものグラウンドのベンチで、一輝と二人きり。
「叶夏も当事者だろ?」
「皆がすご過ぎて、あたしは実感ないかも」
「ははっ、いつもの叶夏なら”あたしのお陰でしょ”とか言ってんのにな」
そう言われると確かに、あたしも違和感あるけど…。
「一輝は普通過ぎじゃない?」
「またマイペースだって言いてぇの?」
なんだ、分かってんじゃん♪
「今はまだ、このうれしさに浸ってたい」
空を見上げると、星がいつにも増して輝いてる気がした。
「これで叶夏との約束も果たせたわけだ」
「うん!!超満足」