線香花火
「…微妙に当たってるって感じか。お、家着いた。じゃあちゃんと話そう。澪波がそういう顔しなくて済むように。」
いつもそうだ。同い年のはずなのに、なんだか一歩先を歩いているような感じがする。手を繋いでいるのに置いていかれそうな不安を拭えない。聡太が何かしたわけではないのに。
「澪波…?強く握ってくれて嬉しいけど、どうした?」
「…負担じゃ、ないの?」
「何が?」
「遠距離とか、ここまで来たこととか、…いつも私を優先すること…とか。」
「…やけに不安定だなぁ。どうしちゃったんだよ澪波ちゃん。」
なんとなく、自分ではわかっている。こうして今会えたことがとにかく嬉しい。会えるなんて思っていなかったから。だからこそこの先が寂しい。幸せだから不安になる。壊れてしまったら、なくなってしまったら嫌だから。
「澪波ー、鍵開けて?」
「うん。」
部屋の鍵を開けると、聡太がドアを開けてくれる。
「澪波ちゃんの不安をなくすために聡太くんは頑張ります。とりあえずご飯とケーキ、片付けるよ?」
「あ、りがと…。」
手際よく冷蔵庫に片付けて、澪波の方に向き直る。
「はい、澪波ちゃんこっちおいで。」
手招きされるままに聡太に近寄ると、そのままゆっくり引き寄せられた。
「聞きたいこと、なんでも聞いて。」
「この体勢のまま?」
「じゃなくてもいいけど。あーでも澪波の顔見て話したいし、座ろうか。」
聡太が先に座る。ポンポンと絨毯の上を叩いてここに座れと目で言ってくる。澪波は言われた通りのところに腰を下ろした。
「澪波から質問どうぞ。」
「質問っていきなり言われたって…。」
「じゃあ俺から。…澪波は俺のこと好き?」
「え…?」
「まだ澪波に言われたことない。だから言って。」
「…言ったこと…なかった…?」
「ないよ。だから欲しい。」
澪波の弱い、真っ直ぐな瞳に真っ直ぐな言葉。
「…す、き、…聡太のこと、好き…。」
顔が熱い。今更こんなことを言うなんて恥ずかしさの極みだけれど、目の前の聡太ときたらにっこり微笑んでいる。
「俺も。澪波のこと、大好き。」
甘くて熱いキスが額と唇に降ってきた。
いつもそうだ。同い年のはずなのに、なんだか一歩先を歩いているような感じがする。手を繋いでいるのに置いていかれそうな不安を拭えない。聡太が何かしたわけではないのに。
「澪波…?強く握ってくれて嬉しいけど、どうした?」
「…負担じゃ、ないの?」
「何が?」
「遠距離とか、ここまで来たこととか、…いつも私を優先すること…とか。」
「…やけに不安定だなぁ。どうしちゃったんだよ澪波ちゃん。」
なんとなく、自分ではわかっている。こうして今会えたことがとにかく嬉しい。会えるなんて思っていなかったから。だからこそこの先が寂しい。幸せだから不安になる。壊れてしまったら、なくなってしまったら嫌だから。
「澪波ー、鍵開けて?」
「うん。」
部屋の鍵を開けると、聡太がドアを開けてくれる。
「澪波ちゃんの不安をなくすために聡太くんは頑張ります。とりあえずご飯とケーキ、片付けるよ?」
「あ、りがと…。」
手際よく冷蔵庫に片付けて、澪波の方に向き直る。
「はい、澪波ちゃんこっちおいで。」
手招きされるままに聡太に近寄ると、そのままゆっくり引き寄せられた。
「聞きたいこと、なんでも聞いて。」
「この体勢のまま?」
「じゃなくてもいいけど。あーでも澪波の顔見て話したいし、座ろうか。」
聡太が先に座る。ポンポンと絨毯の上を叩いてここに座れと目で言ってくる。澪波は言われた通りのところに腰を下ろした。
「澪波から質問どうぞ。」
「質問っていきなり言われたって…。」
「じゃあ俺から。…澪波は俺のこと好き?」
「え…?」
「まだ澪波に言われたことない。だから言って。」
「…言ったこと…なかった…?」
「ないよ。だから欲しい。」
澪波の弱い、真っ直ぐな瞳に真っ直ぐな言葉。
「…す、き、…聡太のこと、好き…。」
顔が熱い。今更こんなことを言うなんて恥ずかしさの極みだけれど、目の前の聡太ときたらにっこり微笑んでいる。
「俺も。澪波のこと、大好き。」
甘くて熱いキスが額と唇に降ってきた。