ホントのキモチ。【完】
「でも、少しだけ、ね?たまに、他の子たちが友だちと楽しそうにしてるのをみて羨ましくなるの」
菊野さんは自分の足元を見て、言った。
「………」
「今日だってそう。班は適当に先生に入れられて、馴染めなくてここに来ちゃった」
笑った菊野さんはどこか悲しそう。
「って私なに言ってるんだろうね。初めてあったばかりの結崎さんに」
ひとりなんて寂しいんだよ。
菊野さんは我慢してるだけ。
私は菊野さんの手をそっと両手で包んだ。