ホントのキモチ。【完】

「え……」




菊野さんは驚いたように手と私の顔を見た。




「菊野さん、寂しいって気持ちは我慢しなくていいんだよ。ひとりで寂しくないはずないよ。」




ギュッと握れば暖かさが広がる手。




「寂しいって言えば、みんな駆けつけてくれるよ。菊野さんのために」




「結崎さん…」




「だって、私と菊野さんはもう友達だよ?」




友達。




さっき、菊野さんの手を握ったとき菊野さんの手は微かに震えていた。




寂しかったんだよね、きっと。




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