ホントのキモチ。【完】
気持ちとは裏腹に胸は激しく鳴る。




「…こういうことは他の女子にして。」




「他の女子って、中森にかよ?」




気づいていたの、千夏の気持ちに。




私は相内君を見た。




「ばればれでしょ、あれは。」




ハハッと笑った彼。




「だったらーーー…」




「だったら、なに?」




彼は私の首に唇を近づけた。




そして、キスを落とした。




「っ!」




私はグイッと彼の胸を押した。




「やめて!!」




彼は黙って私の手を掴み、動かせないように手で制する。




強い力。




チクッと小さな痛みがはしる。



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