ホントのキモチ。【完】
「ちょ、相内…」




「呼ばないでっ!」




泣きながら叫ぶ千夏。



その目は怒りで溢れてる。




「え…」




「莉子なんかがっ、相内くんの名前、呼ばないでよっ!!」




「千夏、私は」




「聞きたくないっ!莉子の裏切りものっ!!」




千夏はドンッと私の肩を勢いよく押した。




「キャッ…」




私はしりもちをついた。




走っていく千夏。




だんだん小さくなっていく千夏。




千夏がいた場所には、涙が地面を濡らしていた。

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