バスケ部の君に、恋をした
出会い
君と私の出会いは、入学式の日。


「やっばい…遅刻じゃん!」


私、藤井かなは焦っていた。
家から中学校まで近いから、と余裕をこいてのんびり支度をしていたらこのザマだ。

「…っとと。お、クラスわけの紙!
えーっと…あ!菜々と同クラ!
それ以外は知らない…ってのんびりしてる暇じゃないや!!」

靴箱前に張り出されたクラスわけの紙。
そこには私の親友の菜々の名前があった。そのことにウキウキしながら階段を上っていく。新しい上靴、新しい制服、全てが新しくて胸が高鳴った。

「1-6、1-6っと…
ここか!!」

私のクラス、1-6の前に来るとみんなが座って先生の話を聞いている様子が見えた。
(やっば…みんないる…まーいーや)
「失礼しまーす…」

そういって教室に入った。すると、空いてる席が幾つか。中学校は名前で番号が決まる。自分の席に行こうとしたけれど、自分の席は窓側。つまり、その私の席の右側に人がいるわけで。

「おっと、ごめんよ!!通してくれん?」
そういうなり私の右側の男子の椅子を無理やり持ち上げた。
男子は迷惑そうな顔をしながらも道を作ってくれた。

「ふぅ…」
そう落ち着いてみて、ふと、隣の男子を見てみた。



そう、この瞬間から私の恋は始まったのだ。


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