【完】純白の花に、口づけを。
「あ、今日朝からハル来るの」
変わったことと言えば、ハルさんが家に来るのが多くなったことぐらいだ。
それ以外、何も変わらない。
むしろこれ以上変わったら、困る。
「和架、寝不足でしょう。ちゃんと寝なきゃダメよ」
──っ。
こうして些細なことに気づかれると、一瞬胸が張り裂けそうになる。
諦めるって思ってるはずなのに、気が緩めば千花に「傍にいて」と言ってしまいそうになった。
「ん…寝るよ、ちゃんと」
そう答えるのでさえ、精一杯だ。