【完】純白の花に、口づけを。
「でも私、昼から買い物しようと思ってたんだけど」
千花がポツッと呟けば、向こうから何かを大声で言ってるのが聞こえてきた。
内容までは聞こえないけど。
「ああああ、わかったから。海で良いんでしょ?和磨(カズマ)も連れてこればいいから」
和磨って、確か千花の同級生だったよな。
ああ…叶恵さんと和磨さんが付き合うきっかけになったのは、千花だったか。
「ん、また後でね」
そう言って千花は電話を切ると、はぁとため息をついた。
「なんかあったか?」
「ううん、なにも」
「海、どうすんの?」