【完】純白の花に、口づけを。
「和、架……」
唇の隙間から零れる、千花の声と。
「っ」
とろけてしまいそうなほど、甘い瞳。
“めちゃくちゃにしたい”
そんな考えが頭をよぎって、千花と一度唇を離す。
「っ、制御効かねぇから、ここまで」
「和架……」
腰が抜けたのか立てずに俺にもたれかかる千花の指が、すっと唇をなぞる。
誘うようになぞられて、揺らぎそうになった。
「制御なんて、必要ないのに」
っ──ダメ、だ。
本気でめちゃくちゃにしてしまう。
でもめちゃくちゃにしたいと思ってる自分がいて、抑えるように千花のシャツの襟を少しだけ下げた。
少しだけ見える胸元に顔を埋めて。
「っ、」
紅い花弁を、そこに残す。