【完】純白の花に、口づけを。
俺の、なんて独占したかったわけじゃない。
でも、独占のマーク。
「これで終わり。先にアイツらんとこ戻れ」
「和架は?」
「……もうちょっとしてから、行くから」
自分の中で感情も制御できてない。
こんなんで千花と戻れねぇし、戻ったら何してたかバレるかもしれねぇし。
「…そっか」
千花は小さく笑って、「戻ってる」と答えたあと。
「私は、ハルより和架のキスの方が好きかも」
俺の耳元でそう囁いて、先に行ってしまう。
その後ろ姿を見ていたら、なんともいえない感情が浮つく。
ハルさんに挑発されたことなんてすっかり忘れて、しばらく千花とのキスが頭を離れなかった。