【完】純白の花に、口づけを。
「依千花ー」
「あ、なに?和磨」
「ちょっと叶恵の手伝い頼むー」
「はーい」
千花は「後でね」と微笑んで行ってしまう。
「ちいちゃんも大変なんだね……」
「ん、そうだな……って、“ちいちゃん”?」
「うん、ちいちゃん。依千花さんのことだよー」
「急に馴れ馴れしくなったね、希依」
「ちいちゃんがそれでいいって言ったんだもーん」
「ったく。で、湊と佳澄は?」
「みなくんとすみちゃんは、先に海で泳いでるよー」
そう言われて指さされた方を見れば、確かに海の中にいた。