【完】純白の花に、口づけを。
◎シークレット・キス
「……疲れた」
思わず本音をこぼすと、千花はくすくす笑った。
「振り回されてたものね」
「巻き込むなっての」
「仕方ないんじゃない?」
海で未だに騒ぎまくってる奴らを見て、千花は少しだけ眩しそうに目を細めた。
「和架はしばらく休憩?」
「ん。千花は入らねぇの?」
「なんだろう。私って、傍観する方が好きなのよね。大人目線で見てないと、もし誰かに何かがあったとき気づけないから」
それを聞いて、とことん千花は大人なんだと思い知らされる。
太陽も沈みかけてるし、あと数十分したらシャワー浴びて着替えて帰らねぇと。
俺と千花以外は、未だに海の中。
いや、瑞希と彼女はふたりで散歩に行ったけど。
「千花から見て、俺ってどんなイメージ?」
「なぁに?突然」