【完】純白の花に、口づけを。
「ふふ、そっか」
千花が笑って、俺の手を握った。
指を絡ませられると、キスした時のことを思い出してしまう。
「もう1回、する?」
「千花」
「そんなに聞きたいの?」
「………」
聞きたいに、決まってる。
ぐらぐら揺れて、千花の言動ひとつひとつに惑わされて。
どうしようもなくて、千花にこうやって聞いてるのに。
「和架と、キスしたかったから」
「っ、」
「それじゃ、ダメ?」
千花の声とか仕草とか。
全てに誘われてるような気分になって。
「別に。千花がそう言うならそうなんだろ」