【完】純白の花に、口づけを。

◎絡み合う糸の先




「ただいま」



瑞希が「お昼は彼女のところで食べる」と言うから、ひさしぶりにひとりでの帰宅。



今日は夏休み明けということもあって、学校は昼までだ。



「……あれ」



玄関にハルさんの靴があったにも関わらず、誰もいない。



つか、なんで俺より教師のが来るのが早いんだよ。



「千花の部屋、か?」



廊下を歩いていけば、千花の部屋の扉は全開で。



話し声が聞こえたから、何も迷わずに中を覗きこんだのが間違いだった。




「……え」



ぴたり。



「っ!」



ベットの上で、寝転がる千花と。



覆い被さっていたハルさんが、動きを止めた。



……いや、服着てるけど。



でも、気まずいものがある。



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