【完】純白の花に、口づけを。



「なぁ、和架」



「………」



「この状況、なんだと思う?」



俺が教えて欲しい。



現在。



白魏家に取り残された、俺とハルさん。



理由は至極簡単。



……千花が、晩飯の買い物に行ったからだ。




「どっちか連れてけばいいのにな」



「あんたが出てけよ」



「仕方ねーだろ。もう止まらない婚約だ」



「……そうかよ」



すっかり不機嫌モードになった俺。



さっきまでは。



千花と、何度もキスを交わして。



「やっぱり、和架とのキス好きよ」



いたずらっぽく笑った千花に見惚れて。



「ほんとは、もっとしたい……なんてね」



千花の言葉にふわふわとどこか浮ついた感覚でいたのに。



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