【完】純白の花に、口づけを。
◎今宵、君と
「………」
「………」
「ね、ねぇ。ふたりとも、どう?今日晩ご飯頑張って作ってみたんだけど」
「依千花の料理は上手いよ」
「千花の料理はいつも美味しいから」
「あ、うん…ありがと……」
「………」
「………」
「………」
千花は結局、何も言わずに自分の料理に手をつけた。
まぁ、3人居てふたりが黙ってんだから千花も気まずさをなんとかしたいんだろうけど。
俺はコイツが嫌いだから、千花としか会話するつもりはない。
「あ、そういえばハル。泉ちゃんが、和架の部屋にいたわよさっき」
「は?はぁー。アイツまた脱走しやがったな」
「家の中だから別にいいけど……」
「泉ちゃん、ハルにあんまり懐かないものね」