【完】純白の花に、口づけを。
瑞希の顔から、わかりやすいほどに笑みが引いていく。
「そんな冗談、」
「悪いけど、冗談でこんなこと言えないよ。瑞希」
「っ」
「つか……まだ俺らも詳しく聞いてねーけどさ、黒って男じゃねーの?」
「いや、俺もそう思ってたんだけどね。“黒”本人がメール送ってきたら仕方ないでしょ?」
「メール?」
亜希がメールの画面を見せる。
それを見て、瑞希は自分の携帯を取り出した。
「花のメアド……」
「……間違い、なさそうだね」
「アイツ、が?まさか。花は俺が言うのもあれだけど、そんなに運動神経は良くないし……」
「運動神経が良くて、頭が良かったら“フリ”なんて簡単に出来るよ」