【完】純白の花に、口づけを。
「雰囲気よ。あとほんの少しだけ、血の匂いがする。今から晩ご飯作るから、順番にシャワー浴びてきなさい」
まぁ。
千花が喧嘩したって見破っても、なんの違和感もない。
それぐらい千花は俺らのことを理解してるし、千花は完璧だからだ。
“完璧”な人間なんて、どこにもいない。
そう言うけど、それを感じさせないほどに完璧だった。
頭も良いし、容姿もずば抜けてる。
性格も優しくて、仕事もできて俺らの面倒まで見てくれて。
「瑞希。お前先浴びてこいよ」
「んじゃ、お言葉に甘えて」
瑞希が部屋に入って、着替えを取ってきてから風呂場に入った。