【完】純白の花に、口づけを。
◎腕の中で-side 依千花-
*side依千花*
だって、もう。
この子を守るのは、私だけでしょう?
「…ふふ」
私の腕の中でウトウトとしていた和架が、気持ち良さそうに眠りについた。
私や、彼の友だちからすれば特に大したことないのだけれど。
周りから“大人びてる”と言われる和架の寝顔は、少し幼くてあどけない。
私の胸に顔を埋めて、幸せそうに眠るから。
「今日も徹夜ね」
彼が私の腕で眠ってしまったら、絶対に私は眠らない。
私の力じゃ和架をベットに運んであげられないし、だからって椅子で眠るのも辛いだろうから。
出来るだけ楽な形にしてあげて、ずっと幼い寝顔を見ているのはもはや私の習慣になっている。