【完】純白の花に、口づけを。



「強くねーけど、」



ただ。



「お前ら見てたら、弱いままじゃいられねーなって思っただけだ」



中学で、出会ったあの時。



コイツらと毎日過ごすようになったとき。



弱いままの自分じゃ、誰も救ってやれねーと思ったから。



あえてコイツらの前でも偽りを作って、強く生きようとした。



そんなの、結局は打ち破られてしまったけど。




「それでも、和架ちゃんは強いと思うよー」



希依が瑞希に便乗したように言う。



「じゃなきゃ、」



“龍高のトップなんて、やってられないでしょ?”



他の奴らだって、俺を強いって言うけど。



きっと俺は、まだ……。




< 214 / 347 >

この作品をシェア

pagetop