【完】純白の花に、口づけを。
「考えとくわね」
彼が苦しむなら、それでもいいと思う。
力を緩めると、和架はゆっくり体を離した。
「ちょっとしんどくなってきたから、寝る」
「…うん」
きっと、傷ついてる。
ううん、絶対。
和架は一度だけ私に顔を近づけたかと思うと、首筋に唇を押し当てた。
熱のせいで、ヤケに唇が熱い。
「っ、」
一瞬、痛みが走って。
そこに何をされたのかは、わかったけど。
「……お腹空いてねーから、昼飯抜く。しばらく大人しく寝るから、仕事戻ってくれて良い」
ベットに戻りながら言う彼に。
「…リビングで、仕事してるわね。おやすみ」
それだけ言って、私は部屋を出た。