【完】純白の花に、口づけを。
PURE WHITE*8
◎“幼なじみ”
「「……あ」」
朝、熱がすっかり下がった俺は、部屋を出たところで瑞希に出くわした。
すっと視線を逸らした瑞希は、先に歩いていってしまう。
……何してんだか。
瑞希に会ったら、一番に“ごめん”って。
“悪かった”って、言うはずだったのに。
仕方なくその後ろを歩いていけば、瑞希はガチャリとリビングの扉を開けて。
「はよ、姉ちゃん」
……呼び方、戻したのか。
「おはよう、瑞希。今日は和架より起きるの早かったのね」
「いや、和架もソコにいるけど」
振り向いた瑞希とは視線が合わない。
ココに突っ立ってても仕方ねーから、部屋に足を踏み入れる。
「はよ。千花」
「おはよう、和架。体調どう?」